六畳人間@名古屋

六畳人間の周りには良く「本物のロックバンド」という冠が付く。
その言葉は本当だと思うし、本当にいいバンドだと思う。
ただ、「本物のロックバンド」という言葉はあくまでも第三者が付けてこそ意味があるのであり、本人達が言ってはいけないと思う(インタビューによると、「本物のロックバンド」と名乗ったのは他でもなく本人たちらしい)。

本人たちが「本物」と名乗るのであればそれだけの自信があるんだろう。

しかし、この日見た六畳人間は「ただのロックバンド」にすぎなかった。

このバンドの凄さはライブパフォーマンスにあると思う。
ボーカルのギターが意志を持ったように動きまわり、フロアにいる観客を一気に持ち去っていくパワーは抜群だ。

そんな彼らだから、あえて苦言を呈したい。

ボーカルの動きがただのオナニーになってしまっていた。

自己満足の世界に入ってしまい、観客を巻き込むどころか置き去りにしていく。
なんだか馬鹿にされた気分になってしまった。
そしてパフォーマンスに重きを置いたが故に歌が完全におろそかになっていた。
伝わらない歌を聴かせて何がロックバンドだ。

本来、六畳人間はこんなバンドではない。
と、思っている。
歌の上に無意識のパフォーマンスが重なって、頂点に達するのがぞくぞくするほどかっこいいバンドなのだ。

こんなはずじゃないんだけどな、とつぶやいてライブハウスを出た。

歌を届けるバンドでもあるということを思い出してほしいと思った。