今日は彼氏がいないから

噂の大阪のバンド「ミドリ」を見た。
個人的に「関西ゼロ世代」と言われるようなバンドは避けて通ってきた。
何で避けてたかって言えば、「きっと私、好きじゃない」という勘。
あふりらんぽも見たことはないけど、なんとなく見ようとは思わないなーというくらい、大阪のここらへんの類(わかるかなぁ…この「ここらへん」って感じ)は避けてきた。

でも、TOUTUBEで見たミドリの「お猿」という曲に妙に惹かれた。

ボーカルがドラムにちょっかいを出している。
大体ボーカルっていうのは(特に曲を書いているボーカルは)ドラムを「リズムマシーン」として見ている傾向が多いように思う。(バンドで大体脱退するのはドラムだ。)
なのでライブ中にえらくちょっかいを出すミドリのフロントガール後藤が私は気になって仕方なかった。

そしてようやくミドリを見ることが出来た。
お客のモッシュやダイブを見ると「ちょっと宗教じみてて奇妙だな」と思ったものの、瞬発力というか爆発力はとんでもなかった。
ミドリの音楽を「下品」という人はきっとボーカル後藤まりこの純粋さに気付いていないと思う。
女というのは男が思っている以上に後藤まりこのような女なのだ。
結局、女も動物の感覚になる瞬間があって、食欲・性欲・睡眠欲の3つでしかなくなっていて、後藤まりこはその「女の性欲」の部分を素直に表現している。
だから曲の最中はとんでもない事、例えば「お前等と今セックスよりも気持ちいいことしてんねんぞ!!!!」と叫ぶが、曲が終われば小さな声で「ありがとう」という。それはとても素直な女の縮図だと私は思える。

そしてやはり後藤まりこのドラムに対するちょっかいは愛が感じられた。
この人はきっとドラムというかリズムというものをとても愛していると思う。そこら辺に転がるバンドとミドリの差はそこにあるんじゃないかな。
どんなバンドも最後はリズムに転がっていくような気がする(ザゼンの向井もその感覚がバンドになると色濃く出ている)。

しかし関西にはこんなバンドが山ほどいるんだろうな、と思うと少し恐ろしい。
しかしそんな文化が成り立っている大阪という街の土壌が心底羨ましい。